中国在住のWebライター、Nanaです!
中国のキャッシュレス情報をお届けしています。
この記事では、中国で最も有名なキャッシュレス決済「Alipay」についてお伝えします。
中国は元々セキュリティの問題からクレジットカードが浸透しておらず、クレジットカードの代わりに、銀聯デビットカードが一般的に使われていました。
こういった状況にも関わらず、近年急激に普及しているのがAlipay(支付宝)です。
中国にいるとよく分かるのですが、若者のみならず高齢者もこのAlipayでのキャッシュレス決済が普通の光景になっています。
屋台やタクシーなどでもAlipayや微信を使って決済するのが普通で、現金だと嫌な顔をされることもよくあります。
また、お店によっては現金を受け付けていなかったり、つり銭を用意していないところもあります。
人によっては現金を一切持ち歩かず、Alipayや微信内のお金だけで生活している人も多いのが今の中国です。
中国人の約3分の1である5億人以上の利用者がいる、このAlipay。
中国に出張や留学などで長期滞在される方は、ぜひ本記事でAlipay(支付宝)についてチェックしてみてください!
目次
Alipay(支付宝)とは?
Alipay(支付宝)とは、中国消費者に向けた電子決済サービスです。
現在、中国のみならず世界中に普及しておりその勢いはとどまることがありません。
Alipayは、世界的成功をおさめている马云率いる「アリババグループ」によって杭州で創設されました。アリババはソフトバンクの社長・孫正義さんも大規模投資をしたことでも有名ですよね。
日本に住む日本人はAlipayを使える?
日本に訪問する中国人は年々増加傾向にあり、それに伴い巨大な中国マネーを見込んだ日本の企業がAlipayの導入を開始しはじめました。
Alipayで決済できる店舗
- ローソン
- 無印良品
- ドンキホーテ
- ビックカメラ
ローソンや無印良品は中国本土にもあり、中国人の間とってすでに親しみやすい企業であることが導入理由でしょう。
ドン・キホーテやビックカメラなどは、中国人の所謂爆買いを見込んでいるのでしょうね。
日本に住む日本人はAlipayを使える?
では、日本に住む日本人はこのAlipayを使うことができるのでしょうか?
答えは…残念ながら、日本に住む日本人はAlipayを利用することはできません。
ただし、中国の銀行口座を所有している日本人であれば、身分証明書の提示でAlipayの利用はできます。* ブログ執筆時点 : 2019年5月現在
中国で銀行口座を開設するには?
中国には最大手の中国銀行をはじめ、交通銀行・建設銀行と数多くの銀行があるのですが、各銀行によって外国人に対する口座開設の条件が異なりますので注意が必要です。
個人的におすすめするのは「建設銀行」です。
建設銀行は他の銀行と比較して条件が緩く、身分証明書2点と日常会話レベルの中国語の会話能力さえあれば、口座を開設することができます。
中国銀行などは、税金の証明書などの煩わしい書類提出が必要になるため、口座開設のハードルが高いです。
もしあなたが中国語の会話能力に自信がなければ、知り合いの中国人に口座開設を手伝ってもらえるようお願いするのも一つの手です。
中国に知り合いがいない場合は、中国語学学校や日本人向けのバーなど、費用はかかりますが手続きの代行を受けつけている場所もあります。
スポンサーリンク
Alipayを使うために必要なもの
Alipayは現状では中国人に対してのシステムであり、中国国籍以外の国の人が利用するには不便な点が多くあります。
実際Alipayアプリには、日本語対応機能が実装されていません。
将来的に日本語対応する可能性はありますが、現時点では最低限の中国語語学力が必要なため、中国語が全くわからない人にはAlipayを使いこなすのは難しいといえそうです。
Alipayアカウントの開設
Alipayの登録に必要なものは以下の4つです。
- SMSを受信できるスマートフォン
- 中国の銀行口座
- メールアドレス
- 身分証明書
一つ一つ詳しく説明します。
1. SMSを受信できるスマートフォン
Alipayアカウント開設に必要な携帯電話番号は日本の携帯電話でも大丈夫です。
中国の携帯電話を外国人が購入する場合は、中国人の知り合いの中国国籍の身分証明書が必要になります。
2. 中国の銀行口座
前述の通り、中国の銀行口座を開設するためには、中国本土に行き外国人として直接口座開設の申し込みをしなければいけません。
もし銀行口座を開設するのであれば、開設条件がゆるい「建設銀行」の口座開設をおすすめします。
3. 身分証明書
2016年、中国でモバイル決済に対する新しい法律が施行されました。
その際Alipayは実名で登録しなければ利用できないように整備されています。
そのため身分証明書の提示数によって決済可能額が変わる仕組みとなっています。
ランク1 * 身分証1つ |
決済限度額1,000元 (約16,000円) |
---|---|
ランク2 * 身分証3つ |
決済限度額年間10万元 (約164万円) |
ランク3 * 身分証5つ以上 |
決済限度額年間20万元 (約327万円) |
上記からもおわかりかと思いますが、ランク1のままでは、日本円で約16,000円分の決済利用しかできません。
よって少なくとも身分証を3つ提示したいところなのですが、日本人を含めた外国人が身分証3つを揃えることは容易ではありません。
パスポートは中国国内で身分証として効力がありますが、日本の免許証などはカウントされません。
中国で身分を証明できるものとして認められるものは下記の4つです。
- 携帯電話番号 (日本の携帯番号でも可)
- 銀行口座番号
- 中国の身分証明書
- 電気・水道など公共料金の請求書
中国に在住していない日本人が、これらの中から3点を揃えることはかなり難しいのが現状です。
中国在住の日本人以外は、ランク2の以上のAlipayアカウントの開設はハードルが高いといえるでしょう。
Alipayのチャージ方法
Alipayへのチャージは、下記の4つの方法で行えます。
- 中国国内の銀行のネットバンキングでチャージする
- 友人のAlipayから送金してもらう
- 中国国内のコンビニでチャージカードを購入する
- タオバオで商品を販売し、その商品代金を受け取る
各チャージ方法を詳しく紹介していきます。
1. 中国国内の銀行のネットバンキングでチャージする
Alipayのトップ画面に充値(チャージ)というメニューがあるのでクリックします。
次に銀行選択画面で所有している口座の銀行を選びます。
個人情報や身分証明書などを登録する画面が表示されるので情報を入力し、Alipayへチャージします。
2. 友人のAlipayから送金してもらう
Alipayアプリユーザー同士であれば、個人間でお金の送金することができます。
友人から送金してもらうことでチャージが可能です。
3. 中国国内のコンビニでチャージカードを購入する
中国のコンビニで販売されているAlipayのチャージカードを現金で購入します。
チャージカードに記載されている番号を、Alipayに登録することでチャージできます。
4. タオバオで商品を販売し、その商品代金を受け取る
アリババグループのネットショッピングサイト「タオバオ」で商品を販売し、その売上金をAlipayにチャージできます。
Alipayの利用シーン
Alipayはさまざまな決済に対応しており、中国で生活する上で非常に便利なサービスです。
- 実店舗でのキャッシュレス決済
- タオバオや天猫などのネットショッピングでのオンライン決済
- 投資商品購入
- 保険購入
- 水道光熱費の支払い
- 滴滴タクシーへの支払い
- 出前をとる
- 割り勘決済
- 病院の受付
- 交通違反の罰金支払い
特に「滴滴タクシー機能」は非常に便利です。
GPSによって位置情報を割り出しているため、現在地の近くにいるタクシーを瞬時につかまえることができます。
このように中国生活に密接した便利な機能が豊富なため、中国人の間で「なくてはならない決済システム」として中国全土に広がっています。
仕事や留学などで長期滞在される方はぜひ使ってみてくださいね!